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Fは経済史を研究した結果、インフレは「いつでもどこでも通貨の現象である」と確信するようになった。
通貨供給量の伸び率が実体経済の成長率より高ければ、物価が上昇するというわけだ。
さらに、それぞれの国には雇用の自然な水準があり、技術力と労働者の熟練度で決まると確信した。
知識人は信頼できる遅行指標であり、過去に正しかったことを示す点では無謬、といってもいいほどである。
通産省型の戦略を確立すべきだとする議論が頂点に達したのはまさに、日本が経済の低迷期に入り、15年にわたる不況に苦しむようになる時期にあたっている。
ほぼ同じ時期に、日本ほど深刻ではないにしろ、ドイツとフランスも長期にわたって経済が低迷しており、政府による経済への介入が行き過ぎて、「ヨーロッパ硬化症」という不治の病にかかっているのではないかという懸念が広まっている。
政政策によって自然な水準以上に雇用を増やそうとすると、かならずインフレが起こると考え“1980年の大統領選挙でロナルド・レーガンが当選したことは、ケインズ型リベラリズムの終わりを示すものであった。
漠然としているし、不完全ではあるが、疑問の余地のない形で、有権者がイデオロギーの馬を乗り換える意思を示したのである。
こうして、自由市場の理論家と主張したマネタリストの見方では、通貨で重要なのは、通貨ストックの量(硬貨、紙幣、当座預金など、お金として使えるものの合計額)と通貨の回転率を示す流通速度の積である。
Fは経済史の研究から、流通速度がほぼ一定だとみており、したがって、政府の政策では通貨ストックだけを考慮すればいいと考えた。
FRBが通貨ストックの伸び率を経済成長率とほぼ同じ水準に保っていれば、物価はほぼ一定になるはずである。
もっとも重要な点として、金融政策の厳格なルールを確立することで、当局が経済に介入しようとする衝動が抑えられるだろう。
マネタリズムは、現実に適用しようとすると技術的にきわめて困難な問題にぶつかることがわかったのだが、実績が思わしくなかった点はイデオロギーとしての説得力にはほとんど影響を与えなかった。
ケインズ派が全知全能に近いテクノクラートという偶像に頼ったのに対して、F派は自由市場資本主義が制約を受けることなく活動すれば、すべての問題が解決すした(Fは政府の規制のほぼすべてに反対し、医薬品の安全規則にすら活躍する時代がはじまった。
フランク・ナイトは自由市場資本主義を主張するシカゴ学派の創始者のひとりであり、この学派でとくに有名なM・Fの師にあたる学者だが、経済学の教科書の冒頭にこう記したことがある。
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